2009年10月01日

故郷だより16

前略 木の実さま

いよいよ秋も深まって来ましたね。



我が北相木村は、もう朝の温度は5度まで落ちました。



君はステージ演奏を前にして、練習の繰り返しで忙しいだろうね。
でも、その緊張感が「おとう」は結構好きだったよ。
最近はとんとステージに立つ感覚は忘れてかけてしまったけどライトを浴びて、
観客の視線を痛いほど感じる・・・・・実に「良いんだよな」ま、楽しんでやってください。
十月に入ると「おとう」は56歳になり君は20歳になるんだね。
君は5日の午前2時にこの世に生まれ出てきたんだ。
夜中に「おかあ」を車にのせて病院のある小海までの山道が長く感じた事・・・・・。
夜空は雲ひとつもない満天の星で「銀河鉄道の夜」みたいだった。
「おとう」は天の川の下を安全に気を配り、ゆっくりと車を走らせたんだ。
もうあれから20年もたつのか・・・・
今夜も我が北相木村の夜空には天の川が広がっている。
君が生まれ出た、あの日みたいにね。
そうだ「おとう」が20歳になったころは
学生3割、バンド7割くらいの割合の生活をしていたな。
東京都は1月15日に成人式を執り行っていたんだけど
「おとう」は当日仕事で式なんて行けなかった。
その仕事というのは、千代田区の成人式でのアトラクションで九段会館のホールで演奏していたよ。
ステージから見える大勢の成人(同じ年)を眺めながら
「お前らとは、ちがうんだぜ」ってツッパッテいたな。
でもなぜだか「空しかった」。
仕事も終わり、帰り支度をしていると
係りの人が「バンドさんの中にも成人なされた方がいるのでは」
「おとう」は事のついでくらいに手をあげたら「おめでとう」といってお祝いの品物をいただいたんだ。
ずっしりと重い紙袋の中身はあまり覚えてはいないが一冊の「国語辞典」が入っていて、
その辞典はいまだに「おとう」は大事につかっている。
36年前の国語辞典は宝物なんだ。



20歳の思いでとしてね。
そして、その辞典から学んだ言葉をつかって50曲くらい作詞をしている。
そのうち15曲はレコードになって誰かに歌われているんだぜ。
木の実も成人する時に良い思いでに出会えたらいいな。
「おとう」から木の実へ成人のお祝いとしてキャロルキングの「YOU'VE GOT A FRIEND」を送るよ。
とは言っても目録だけどね。(笑)
是非聞いてみてくれ。        父拝




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Posted by アイナガノ at 10:00│Comments(0)北相木村
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