2009年07月01日

故郷だより13

前略 木の実さま

梅雨入りした東京は、さぞ蒸し暑いだろうね。
「おとう」が下北沢でぶっ倒れそうになって、
ギンギンにエアコンの効いた銀行へ逃げ込んだのも、この梅雨の東京だった。
今で言う「熱中症」ってやつだったんだろうな。
それからは夏の東京には、極力行かないようにしているんだ。
北相木育ちの君は大丈夫かね・・・・・。



木の実も覚えていると思うけど「陸郎さん」が亡くなったんだ。
春からこの次期になると「おじあん、あばやん」が大木が倒れるようにこの世を去っていく。
「おとう」がこの北相木村に暮らし始めて、
何人をあの世に見送ったろうかもう両手、両足では数え切れないくらいだな。
山での暮らし方を教えてくれた「おじあん」。




畑仕事を学んだ「おばやん」田舎で生きて行く為の「作法」を伝授してくれた多くの達人たち・・・・。



もう教えをうかがうことが出来ないんだ。
だから「おとう」たちは、今は元気でいる「お年寄り」から、まだまだ沢山のことを学ばなくてはいけない。
時間はそんなにはないんだよ。
しかし、問題がある。その「技」を誰に伝えていけばいいのか・・・・。



誰にバトンを渡していけばいいのか・・・・答えは見つからない。
「過疎」になることは人工が減り寂しくなってしまうことより、
その人たちが守ってきた日本人の「英知」を失うことがなによりも残念なことなんだよ。
何百年もの間受け継がれてきた文化が、ここで途切れてしまう悲しさがあるんだ。
このブログを書き始めて、一年が過ぎたということは君は一年もの間、東京で暮らしている。
今はまさに東京の素晴らしさ、輝かしさ・・・
そして躍動感に身も心も奪われていると思うが、
本当の東京の「光と影」しかも強烈にコントラストがきつい「光と影」をまだ経験はしていないだろう・・。
親としてはあまり経験しては欲しくないことだけど、
君の人生にとっては「まあ、これも経験!!」ってことなのかな。
「おとう」はさんざんその中でもまれ、「酸いも甘いも」知り尽くし、
ああ「東京は・・・」って気持ちが浮かんで、「田舎暮らし」をはじめたんだ。
そうだ!!「おとう」だって30歳までは
その東京で何とかなっていたんだから、木の実にもできるよな。
しかし、何かに潰されそうになったり、
行き先を見失ったら「おとう」が必ず助けてあげるからな。
だって「おとう」はお前の東京暮らしの大先輩だからね。
マイケルが逝ってしまったね。
彼の凄さは「音楽を映像で見せた」ことなんだよ。
いまではPVは当たり前でむしろ、
音楽よりも映像にちからを入れているところがあるけど
彼の造った「音楽映像」は素晴らしいな。
今年は清志郎が逝って、今度はマイケルかよ・・・あの世の方が楽しそうだな。    父拝





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Posted by アイナガノ at 10:00│Comments(0)北相木村
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